大人の矯正治療

大人になっても歯は動きます

動く歯

大人の歯並びやかみ合わせは変化しないと思われがちですが、 実際は歯は生涯を通じてわずかずつ自然に動き続けています。その際に、抜歯した後の隙間を放っておく、 歯周病、親知らず、外傷などのさまざまな影響により歯並び、かみ合わせに変化が生じます。
矯正治療は歯をあごの中で長い時間をかけて少しづつ動かし、悪い歯並びやかみ合わせを治す治療です。大人になっても矯正が可能です。

歯が動くメカニズム

歯根膜

歯とその周囲の骨(歯槽骨)との間に繊維に富んだ歯根膜という組織があります。動かしたい歯に矯正装置で適度な力を加え、歯根膜を圧迫するとそこに骨を吸収する細胞(破骨細胞)が現れます。反対側の引っ張られる歯根膜には、骨を作るもとになる細胞(骨芽細胞)ができます。そうして歯はゆっくり動きだします。これは歯が骨の中を通って自然に生えてくる変化と同じメカニズムです。
矯正歯科治療は歯へ加える力の大きさや方向を正確に計算し歯を無理なく目的の場所へ動かします。

よい咬みあわせとは

咬みあわせ

歯並びがきれい、歯並びが悪いという見た目の問題だけでなく、全ての歯がきちんと咬み合い食べ物がしっかり噛めてこそはじめてよい歯並びと言えます。奥歯を噛みしめた時、1歯対2歯の歯車がかみ合うような関係がきちんと成立し、前歯や臼歯がその機能を果たすことが出来る状態です。

治療例

治療前   治療後
①主訴: 上顎前突 正中離開
②診断名あるいは主な症状: 上顎前突・過蓋咬・正中離開
③年齢: 初診時27歳
④治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置・歯科矯正用アンカースクリュー
⑤抜歯部位: 上顎両側第一小臼歯
⑥治療期間: 約1年9か月
⑦治療費(初診から保定終了まで 検査・診断、装置加算含む):80万円弱
⑧リスク副作用 : 
装置装着時と歯科矯正用アンカースクリュー装置装着時に頭痛
ブラッシングを怠ると、虫歯、歯肉炎、歯周病
急激な歯の移動は歯根吸収する場合があります
治療前   治療後
①主訴: 反対咬合
②診断名あるいは主な症状: 顎変形症、顎関節症
③年齢: 初診時20歳
④治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置・外科矯正
⑤抜歯部位: 上顎右側第二大臼歯・上顎左側第一大臼歯・下顎右側第三大臼歯
⑥治療期間: 約1年10か月
⑦治療費(初診から保定終了まで 検査・診断、装置加算含む):保険が適用されます
 窓口負担約23万円 保険点数7万点台後半
⑧リスク副作用 : 
知覚過敏 顎関節症はすぐに症状がとれた
外科手術時のゴムがけが大切。手術後に口唇などにしびれが出る場合があるが、
通常は徐々に回復する

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療

口の中にごく小さなアンカースクリューを植えて歯を引っ張る支え(固定源)とすることにより、ヘッドギアやゴム等を使用せずに同じ治療結果を得ることが出来るようになりました。治療期間も従来の方法と比べて短縮されます。使用するアンカースクリューはチタン製で身体に害はほとんどありませんが、金属アレルギーのある方には使用できませんのでお申し出下さい。
アンカースクリュー
インプラントピン

     
 治療前    治療後
 
①主訴: 上顎前突 正中離開
②診断名あるいは主な症状: 上顎前突・過蓋咬・正中離開
③年齢: 初診時27歳
④治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置・歯科矯正用アンカースクリュー
⑤抜歯部位: 上顎両側第一小臼歯
⑥治療期間: 約1年9か月
⑦治療費(初診から保定終了まで 検査・診断、装置加算含む):80万円弱
⑧リスク副作用 : 
装置装着時と歯科矯正用アンカースクリュー装置装着時に頭痛
ブラッシングを怠ると、虫歯、歯肉炎、歯周病
急激な歯の移動は歯根吸収する場合があります