第47回 日本臨床矯正歯科医会 アンコール賞

2020年2月20日木曜日
浦和市のロイヤルパインズホテル浦和で開催された第47回 日本臨床矯正歯科医会大会において

「先行乳歯を抜歯するだけでなく、骨壁の剥離掻把により
遠心傾斜した歯胚を本来の位置に誘導した下顎第二小臼歯の症例」

と題して講演しアンコール賞を戴きました。

講演内容は、乳歯と永臼歯の交換の時期において、

1.萌出途中の永臼歯歯胚は基本的には直進すると思われるが、障害物にぶつかると
そこで止められるか、歯小嚢の周囲の乳歯根や脆弱な骨組織を吸収して、側方に萌出方向を変えて移動することがある。

2.後継永臼歯の萌出異常に対して先行する乳歯を抜歯すると同時に
乳歯根と永臼歯歯胚の歯小嚢との間の歯槽骨の一部を剥離掻把することによって、
永臼歯歯胚を本来の萌出位置に誘導することができることがある。

3.単に乳歯を抜歯しただけでは、歯槽骨の骨芽細胞により造骨機能が働いて抜歯窩は新生骨で充満され、
後継永臼歯の萌出経路とならない、歯小嚢が抜歯窩と交通することで、
乳歯根由来の破骨細胞の影響もあって持続的骨吸収により萌出経路となるのではないか。

4.萌出途中の永久歯胚の歯小嚢は乳歯冠のエナメル質を吸収しないまた充填物も吸収できないので、脱落するまで障害物になる。